自己の「潜在能力の実現」フリーエージェントの成功者たちは「理想の自由」を手にしたのかもしれない

フリーエージェントの成功者たちは「理想の自由」を手にしたのかもしれない。しかし自由を追い求める多くの人々は、厳しい生活に直面しているのが現実ではないか。将来に展望がみえないフリーターたちの状況は、論壇の大きなテーマにもなっている。すでに2000年には、そうした状況を察知するかのように、宮台真司速水由紀子との対談形式で「サイファ 覚醒せよ!」を著している。本書は、自己の「潜在能力の実現」を説いた記念碑的作品であろう。「サイファ」とは、日常生活のなかでは埋もれている超越的・潜在的・宗教的なモメントのことで、人はこの自己の内なるサイファに目覚めたときに新たな活動のエネルギーを獲得する、と宮台はいう。

この啓蒙はまさに、潜在能力の実現を主題化したものとして、時代のニーズをうまくつかんだように思われる。また、現代を代表する二つのマンガ作品、ニノ宮知子「のだめカンタービレ」と三田紀房ドラゴン桜」いずれものちにテレビドラマ化、マンガは現在も連載中。もまた「潜在能力の開花」をテーマとしている点が興味深い。いずれの主人公「潜在能力はあるが、くすぶっている若者たち」であり、彼らはさまざまな出会いのなかで華麗な自己実現を遂げていく。

たとえば「ドラゴン桜」の物語は、倒産寸前の三流高校「龍山学園」に通う二人の学生−水野直美と矢島勇介−が、元暴走族のリーダーで弁護士の桜木健二の強力な指導に導かれて東大を目指すところからはじまる。水野直美は一人っ子で、離婚した父親が愛人といっしよに暮らす家庭に自らの居場所を見出すことができず、悶々とした生活を送っている。矢島勇介は、ある製薬会社の社長の三男で、長男と次男はエリートへの道を歩んでいるが、自分はふてくされて勉強せず、やり場のないエネルギーをもてあましている。この二人の高校生が桜木やその他の名物講師陣に囲まれて徹底した受験指導のもとに自らの潜在的可能性を開花させていくというのが物語の筋だ。

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